Yaron Hermanワークショップ

Yaron Hermanが今回のワークショップで参加者に語りかけてくれたことは彼自身のことだったかもしれません。
それを非常に深いレベルで示してくれました。
自分自身に対して正直でオープンであること、そして演奏する音楽と一つ一つの音にいかに自分が深く繋がっていられるか。これが音楽で何より大切なことです。
彼の言葉で一番印象的だったのは、音楽は人が自分の深い心の奥にもっていて、あまりに個人的なので人にも決して言うことのできないような部分、これ全てが音楽を創造する時の材料になるんだ、という言葉です。
ワークショップでは、演奏の新しいテクニックに出会える時もあるでしょう、アンサンブルとしての演奏で新しい感じ方も学べるかもしれません。または、知らなかったアドリブのアプローチも学べるかもしれません。これら全てはとても貴重なものです。
しかし、音楽は人の心の中から始まります。心の中というのはその人本人すらまだよく知らないような部分ですし、一生その深い部分はわからないのかもしれませんが、音楽がそこから来ているということを自覚するだけで、その音楽家は大きな進歩をすでにとげているのではないでしょうか。
このような音楽の非常に深い部分をYaronは教えてくれました。

Jean-Michel Pilc Workshop

Jean-Michel Pilcのワークショップは終始インプロビゼーションの話が中心でした。単にジャズピアニストとしてではなくインプロバイザーとして彼は音楽を感じ、その瞬間瞬間の音楽を想像します。ハーモニーであってもアドリブのラインであっても決して予め用意するのではなく、その瞬間に自然に生まれる音楽を探します。過去のジャズレジェンドの演奏にとらわれるとこなく、またコードネームや音楽の理論にとらわれることもなく、その場でしかできないものを想像するのがインプロビゼーションです。「僕の指の方が僕より音楽を知っているよ」という彼の言葉が全てを物語っています。
しかし、彼はストレートアヘッドなジャズを無視しているわけでは決してありません。ハーモニーのアイデアをアートテータムから学び、スタンダード曲ボディーアンドソウルのテーマを2週間かけて練習する姿勢はまさにトラディショナルです。伝統から吸収し、それを土台にジャズをさらに前に一歩押し進める、これが彼の音楽と言えるでしょう。
その「瞬間」に想像するインプロビゼーションのコンセプトはマイルスデイビス他数々のジャズの音楽家たちに受け継がれてきました。
そのコンセプトを「今のミュージシャン」を通して体験できる、ワークショップは本当に貴重な経験を与えてくれます!

Jonathan Barber Trio Workshop

 今回のJonathan Barber, Taber Gable, Joshua Crumblyのワークショップではとても広い範囲の質問と会話が交わされました。
スタンダードのMy Shinning Hourから始まったワークショップは、この3人の素晴らしいミュージシャンの今までの音楽経験に関する質問や、練習に関する質問、そして現代社会でのアートのあり方に至るまで非常に範囲の広い質問とそれにまつわる意見が話されました。
しかし、どの質問であっても3人が終始基盤としていたのは、音楽をその時に創れるということが感謝すべきことであること、また、信頼できる仲間と音楽をつくることがいかにパワフルであるかということです。
ライブハウスで演奏する時に、たとえお客さんが5人であったとしたら、見方によってはそれはお客さんが少なくて恥ずかしいことともとれます。しかし、別な見方をすれば、その5人のお客さんはその場でしか体験できないその時の音楽をシェアしてくれる、今日そこに来るべくして来た5人である。このメッセージは、音楽ファン、また音楽を志す全ての人にとってとても力強いメッセージでした。
参加してくださった全てのリスナー、ミュージシャンにとって今日のワークショップは確実にモーティベーションを活性化させてくれたことでしょう!!

Daniel Freedman Workshop

このワークショップでは、とても深いデモンストレーションがあったと思います。
ドラムのチューニングの話からリズムの話になり、レゲエのグループが元々はスイングに近いリズムだという話しをしながら、自然と曲が始まり、レゲエのセッションが始まります。
参加してくれた方からドラムとピアノのアンサンブルの質問がでると、Daniel Freedman とNir Felderがお互いのコンピングを意識しながらブルースが始まり、ベースのTal Mashichの素晴らしいサポートの中、ブルースがどんどん発展していきます。
ワークショップでは時々参加者が一緒に演奏することもあります。それも素晴らしい体験だた思います。ですが、今回のように、アーティストが話してくれる内容が、その場で実際の演奏で形になっていくのを目の当たりにする、これも、ワークショップの大切さであり、また醍醐味であるはずです!
ワークショップに立ち寄ってくれた私の信頼するギタリストの荻原亮や他の参加者の方の声も是非お聞きください!
ユキ・アリマサ

2017前半 ワークショップのお知らせ

今年前半のワークショップ予定のラインアップをご紹介します。ツアー日程などで変更もあるかもしれませんが、素晴らしいミュージシャンたちがあがってきています。

4月

Daniel Freedman(drums)

Nir Felder(guitar)

Tal Mashiach(bass)

Nir Felderの入ったギタートリオ

素晴らしい日本人ギタリスト荻原亮も遊びにきてくれるかもしれません。日米ギター談義が聞けるかも、、近々FBイベントとして告知しますので詳細をご確認ください!

5月

Jonathan Barber(ds)

Taber Gable(p)

Joshua Crumbly(bass)

今NYのジャズシーンで最も若手、全員20代のミュージシャンです。今現在の若いNYアーティストの声が聞けることでしょう!

6月

Jean-Michel Pilc (piano)

とても強力なアーティストのワークショップが2つです。1つ目はJean-Michel Pilc、NYで一度お会いしたことがありますが、この人のハーモニーは底なしです!!

Jeff Ballard (ds)

Chris Cheek (Sax)

そして、もう1つはJeff BallardとChris Cheek、Chrisは学生の頃から知っていますがもうその時点で既に素晴らしかった!そしてBrad Mehldau Trioで長年活躍したとてつもないドラマーJeff Ballard

7月以降にはイスラエルの超絶なピアニスト、Yaron Hermanも予定されています。詳細はまた個別に掲載していきます。

ワークショップで、アーティストの生の風を感じてください!

ユキ・アリマサ

Paul Lay Trio Workshop

Paul Lay Trioのワークショップに多くの方々に参加していただきありがとうございました。
参加者からのとてもいい質問や、積極的に演奏に参加する姿勢もあって
とても有意義な時間でした。
ワークショップと、個人レッスンの違いは、参加者とアーティストのコミュニケーションだなあとつくづく感じさせられる機会でした。
最初にいただいた「シンプルな質問なんですが、、」という一言から、作曲の話になり、それを聞いていた他の方からの質問が、
今度はモチーフや音楽のアイディアの発展の話になり、さらには、それをどう練習していったらよいかという具体的な話にまで発展しました。どのようなワークショップにするかなど、事前の打ち合わせは全くなく始めたのですが、誰かが何か質問してくれることで、話がどんどん次に繋がっていって最後には一つにまとまったとても意味のあるものが出来上がる、、これは、まさにジャズのアドリブと同じですね!
改めて、ワークショップの意義を感じさせられる機会でした。
そんな中でも印象的であったのはドラムのDreさんがグルーブのことを説明する時に使った、アンビエントという言葉でした。
アンビエントは音楽スタイルにも使われる言葉ですが、簡単に言うと、雰囲気とかニュアンスとか、気持ちの揺れみたいな意味合いだと思います。プロであろうがアマチュアであろうが誰もがそれぞれの人がその人自身の個性あるリズムのグルーブ感を持っていて、それは決してメトロノーム的なただのタイミングで推し量ることができない。その「アンビエント」が音楽/リズムで一番大切だということです。
クラシック、ジャズ、フュージョン、ポップス、どんな音楽をやっていようとこれは音楽をやる人がいつも心においておかなければいけないことだなあと感じました。

Paul Lay Workshop

Paul Layという素晴らしいフランスの若手ピアニストのワークショップが2月19日、青山のボディーアンドソウルで行われます。私が彼の演奏を始めて聞いたのは2年前でした。アメリカが拠点のピアニストではありませんが、彼のジャズという音楽への理解と彼の独創的な音楽には非常に心打たれました。今回Artist Greenとして彼のワークショップのお手伝いができるのを楽しみにしています。楽器を問わず、また学生でもプロでもアマチュアでも、ジャズが好きな方々、是非このワークショップに参加してください!必ず得るものがあると思います!!

ユキ・アリマサ

Mimi Jones ワークショップ

10月15日(土曜)2pm 青山のBody and SoulにてベーシストMimi Jonesと彼女のバンドのワークショップが行われます。幅広い音楽の方向性を持つMimiとそのバンドによるワークショップに是非参加してください。内容はその時の参加者にもよりますが、彼女の深い音楽観に触れることができる機会だと思います!

http://www.zoojazz.com

mimi-jones-%e3%83%9d%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc

 

一般社団法人Artist Green

Artist Greenは一般社団法人になりました。これから正式な団体として活動していくことになります。日本でも諸外国でも団体を運営していく際に個人であるか正式な団体であるかが問われます。先日もフィリピンのJapan Foundationとミーティングがありましたが、そのような場合でもこちらが正式な団体でないと所詮個人の企画を提案するだけになってしまいます。またArtist Greenは営利目的の団体ではありませんので、時には助成金を申請する必要な場合も将来的にでてくるかもしれません。そのような事情を考慮し、一般社団法人という形をとることになりました。活動内容もクリアで充実したものにしていこうと考えております。この活動を通して、日本や諸外国の多くのアーディストと関わっていけることを願っています。

ユキ・アリマサ

Sam Harris Trio ワークショップ

Artist Greenがサポートするワークショップが青山ボディーアンドソウルにて行われました。今回はピアノのSam Harris, ベースMartin Nevin, ドラムスCraig Weinribによるピアノトリオのワークショップです。今までにない新しい形のジャズを演奏するトリオですが、曲作りに関して、アドリブの考え方について、そしてバンド内のアンサンブルについて、メンバ−3人がそれぞれ大変詳しく説明してくれました。参加した音楽を志す若いミュージシャン達にもとてもよい影響があったのではないかと思います。最後は参加者が演奏して、それに対して丁寧なアドバイスをくれるなどと大変有意義な時間でした。

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